
卵の孵化を諦めて霧吹きでの加湿を止めて1週間以上が経った。 それは今シーズンの産卵が完全な失敗に終わった事を意味していた。

そろそろ捨てても良い頃だと思い、発泡箱から水苔を取り出そうとした時だった。 何やら真っ黒い物体を発見して我が目を疑った... あ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ‼️ 小さな小さな稚亀が卵殻から顔を出していた。 既にカラカラに乾燥してしまった水苔に包まれた卵殻。 その端を突き破って今まさに這い出そうとしているではないか‼️
見つかっても全く怯える事は無く、程なくノソノソと卵殻から出てきた。 その姿はネットで良く見かけるニホンイシガメの稚亀そのものだった。 甲長に比してとても長い尻尾、 しっかりとした太い四肢に白いストライプ、 背甲後端のギザギザ、 そして吻端には卵嘴があった。 あれ、でも随分と体色が黒くないかい?(笑)


慌てて霧吹きで水苔を湿らせると、モゾモゾと中へ潜って行った。 それにしても... 孵化できる有精卵があったという事はもっと救えた命があった筈である。 折角産卵床を用意したのに、そこでは産まずに池底に産み捨ててしまったサワラ♀が不憫でならない。 産卵床の土質がお気に召さなかったのか、 はたまた落ち着いて産卵する環境に無かったのか、 来シーズンに向けて大きな課題が残ってしまった。 唯一の救いがあるとすれば、難しい孵化直後の稚亀の飼育に関して、たった一匹に集中出来る事だろうか。 この子を無事成体まで育てることが出来れば、残るは産卵床への産卵のみで、飼育者としてニホンイシガメのライフサイクルを全て経験した事になる。
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